【コストダウン・品質向上】溶接から「リベット接合」への転換で得られるメリットとは?

板金筐体やフレームの製造において、部材同士の接合は品質とコストを左右する重要な工程です。従来は「溶接」が一般的でしたが、近年では「リベット接合」への転換によって、大幅なコストダウンや品質改善を実現するケースが増えています。

本コラムでは、リベット接合の基礎知識から、溶接と比較した際のメリット、そして具体的な改善事例について解説します。

リベット接合とは?

リベット接合とは、リベットと呼ばれる金属製の鋲(びょう)を用いて、複数の板金を恒久的に固定する接合方法です。あらかじめ重ね合わせた板材に穴を開け、そこにリベットを差し込んで締結します。

航空機や橋梁、船舶など高い強度が求められる構造物に使われる技術ですが、近年では精密板金筐体の分野でも、溶接に代わる有効な手段として注目されています。

溶接からリベット接合へ切り替える3つのメリット

設計段階からリベット接合を採用、あるいは溶接からリベットへ工法転換することで、以下の3つの大きなメリットが生まれます。

1.熱歪みの解消による「品質安定」

溶接(特にアーク溶接など)は金属を溶融させるため、熱による歪みや変形が生じやすく、寸法精度を安定させることが難しい場合があります。一方、リベット接合は熱を加えないため、熱影響による寸法のばらつきが発生しません。これにより、製品の寸法精度が安定し、品質が向上します。

2.工数削減による「コストダウン」と「納期短縮」

溶接工程では、熟練した技術が必要なだけでなく、溶接後の焼け取りや仕上げ研磨といった後工程が発生します。リベット接合に変更することで、これらの溶接工程や仕上げ工程を削減または全廃できます。

  • コスト削減:作業時間の短縮により、加工費を抑えられます。
  • 納期短縮:工程が減ることで、生産リードタイムを大幅に短縮できます。

3.溶接困難な材質への対応

リベット接合は、鉄とアルミのような「異種金属」や、溶接が難しい材質同士でも強固に接合することが可能です。また、部材にあらかじめ穴位置精度を厳密に管理することで、接合部の強度管理も容易になります。

溶接とリベット接合の比較

項目溶接(アーク・スポット等)リベット接合
接合強度非常に高い(構造体向け)高い(航空機等でも使用)
熱歪み発生しやすい発生しない
外観仕上げ処理が必要(ビード、焼け跡)スッキリしている(鋲の頭は出る)
コスト比較的高くなる傾向(仕上げ工数含)抑えられる(設備費・工数減)
生産性時間がかかる場合がある時間がかかりにくい(短納期対応に有利)

構造的に極めて高い強度が求められる箇所には溶接が適していますが、それ以外の箇所をリベット化することで、全体的なコストと品質のバランスを最適化できます。

リベット接合におけるVA/VE提案事例

精密筐体・フレームファクトリーでは、溶接からリベット接合への工法転換(VA/VE提案)により、数多くの課題解決を行ってきました。

溶接構造をリベット化にてコスト削減

半導体製造装置に使用される筐体の製作の依頼を受けましたが、全て溶接で接合されており、納期とコストが掛かっていました。そこで、設計段階から、コストを抑え、短納期で製作する方法はないかと、ご相談を受けました。
そこで当社では、ほとんどの溶接箇所をリベットに変更する設計提案をしました。それにより、製作コストの削減と納期短縮につながったと同時に、品質の安定化も実現することができました。
>>溶接構造をリベット化にてコストを削減した事例の詳細をみる

半自動溶接からリベット化への転換で、品質とコストを同時に改善

半自動溶接で組み立てる構造の製品で、組み上げ時や溶接時の熱影響によって寸法が安定せず、品質にばらつきが生じておりました。
そこで当社は、半自動溶接工程を全廃し、リベットで締結する工法への変更をご提案しました。リベット化にあたり、前提となる各部品の穴の位置精度を厳密に管理することで、寸法精度を安定させることに繋がり、製品の寸法精度が安定し、品質が向上しました。さらに、溶接工程の削減は工数削減によるコストダウンにもつながり、品質とコストの両面で改善効果がありました。
>>半自動溶接からリベット化への転換で、品質とコストを同時に改善した事例の詳細をみる

板金加工、筐体やラックのコストダウンはお任せください!

いかがでしたでしょうか、リベット接合」への転換で得られるメリットについてご説明いたしました。

精密板金加工は、設計段階での工夫や、素材の選定、部品点数の削減、加工工程の工夫がコストダウン、リードタイム削減につながります。

精密板金加工でも、VA・VEの視点を設計段階から取り入れ、検討することで、より効率的で高品質な製品を、低コストで提供することが可能になります。

精密筐体・フレームファクトリーは、2m×1mのハイグレードな筐体・フレームを始めとする、精密板金加工を得意としております。お客様の品質・納期・ロット数などのご要望にお応えすることをお約束いたしますので、まずはご相談ください。
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