【FLWによる溶接加工】 アルミ製 板金筐体の設計・製作ポイント
精密筐体フレーム・ファクトリーを運営する佐藤電機製作所では、アルミやステンレスなどの精密板金加工に関するご相談を数多くいただいております。本記事では、当社が誇るアルミ製板金筐体の加工ポイントを深掘りし、その魅力をお伝えします。
アルミ製板金筐体の魅力とは? アルミ製の板金筐体は、その特性によりさまざまな分野で重宝されています。以下に、アルミの特徴を5つのポイントでご紹介します。
① 驚異の軽さ
アルミニウムは、比重が2.7 g/cm³と、鉄(7.8 g/cm³)や銅(8.9 g/cm³)に比べて圧倒的に軽量です。この軽さがもたらすメリットは、以下の通りです。
軽量なコンピュータ筐体: 重さを気にせずに持ち運びやすくなります。
自動車や飛行機のパーツ: 燃費向上や性能向上に寄与します。
以上の事から、軽さを求められる製品でその真価を発揮します。
② 驚異的な強度
アルミは軽量でありながら、非常に高い強度も誇ります。亜鉛やマグネシウムを添加することで、さらに強化された合金(例えば、超々ジュラルミン)が生まれます。これにより、以下のような用途での使用が可能です。
自動車や飛行機の部品: 高い耐久性が求められる部品に最適です。
建築材: 強度と軽さを兼ね備えた素材として選ばれます。
強度が求められる環境でも安心して使用できます。
③ 卓越した耐食性
アルミは酸素と反応して自然に酸化被膜を形成します。この酸化被膜はわずか10 Åの厚さですが、非常に安定しており、以下の用途に最適です。
太陽光パネルのフレーム: 長期間の使用にも耐える性能を発揮します。
船体: 海水や湿気からの保護に優れています。 耐食性に優れたアルミは、過酷な環境でも長持ちします。
④ 高い熱伝導性
アルミは鉄の約3倍の熱伝導性を持ち、熱を均一に伝える能力に優れています。これにより、以下の用途に適しています。
フライパンなどの調理器具: 熱が均等に伝わり、料理が美味しく仕上がります。
コンピュータ筐体: 熱を効率的に放散し、パフォーマンスを最適化します。
エンジン部品: 熱の管理が重要な部品に最適です。
効率的な熱管理が求められる製品において、アルミの力を発揮します。
⑤ 安全性
アルミは人体に対して毒性が非常に低く、安心して使用できます。
その為以下の用途に適しています。
医療機器の筐体: 高い安全性が求められる分野で使用されています。
飲料缶: 飲料の安全性を保ちます。
薬品包装: 薬品の品質を守ります。 人体に優しい材料として、多くの製品で採用されています。
アルミの加工難易度とは?
アルミはその特性により、加工時にいくつかの挑戦がありますが、これを乗り越えることで更なる品質向上が可能です。
① 融点と酸化被膜の融点
アルミの融点は約660℃と低く、酸化被膜の融点は2000℃と高いため、加工時に適切な温度管理が必要です。このため、以下の対策が重要です。
入熱管理: 適切な熱管理で溶接品質を向上させます。
酸化被膜の除去: 事前に酸化被膜を除去し、加工工数を最小限にします。
② 歪みの対策
熱伝導性が高いため、加工時に歪みが発生しやすいですが、以下の工夫で対応します。
加工時の歪み防止策: 精密な加工と歪み取り工程で高品質を実現します。
③ ブローホールの対策
溶接時に発生するブローホール(空洞)は、強度の低下を招く可能性があります。これに対する対策を講じています。
このように、アルミは溶接時の難易度が高いことが特徴です。弊社では、ファイバーレーザー溶接といわれる溶接を使用しています。
続いて、ファイバーレーザー溶接についてご紹介します。
ファイバーレーザー溶接の優位性
弊社ではファイバーレーザー溶接を採用しています。ファイバーレーザー溶接の主なメリットは以下の通りです。
高速溶接: 高エネルギーのレーザーを使用し、TIG溶接の約3倍の速さで処理できます。これにより短納期での対応が可能です。
高精度な仕上がり: NC(数値制御)機能により、技術に依存せず安定した品質を提供します。熱による歪みを最小限に抑えることができます。 ファイバーレーザー溶接により、高速かつ高精度な仕上がりを実現しています。
このようにファイバーレーザー溶接は、溶接者の技術に依存しない安定した仕上がりを短納期で溶接することが可能です。
続いて、当社が手がけたアルミ製精密板金筐体の実績と事例をご紹介します。どのような製品が生まれたのか、ぜひご覧ください。
アルミ製の精密板金筐体の製作なら当社にお任せを
精密筐体・フレームファクトリーを運営する佐藤電機製作所は、過去多くのアルミ製の精密板金筐体の製作をしてきました。そのため、高い技術力やノウハウを所有しています。最小の歪みで製作したい、短納期で対応してほしいなど、些細なことでも是非一度当社にご相談ください。