アルミ筐体製作の加工依頼先を選ぶポイント
アルミ筐体の製作を外部に依頼する場合、最適な筐体加工の依頼先を選ぶことが、高品質な製品を納期通りに、そして適切なコストで調達する上で極めて重要になります。
しかし、いざ筐体加工の依頼先を探そうと思っても、数多くの企業が存在し、それぞれが異なる強みや特徴を持っているため、どこを選べば良いのか迷ってしまうケースも多いのではないでしょうか。
本ページでは、アルミ筐体製作の加工依頼先を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説し、開発設計者、調達エンジニアが最適なパートナーを見つけるお手伝いをいたします。
1. 専門性と実績:豊富な経験と高い技術力
アルミ筐体製作を依頼する際には、まず専門性と実績を重視する必要があります。長年の実績で培われたノウハウや技術力は、高品質な製品を生み出すための基盤となります。加工依頼先の選定を誤ると、納期遅延、品質不良、コスト超過など、プロジェクト全体に悪影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
企業の専門性と実績を見極めるためには、以下の3つのポイントに注目しましょう。
製作実績
これまでどのような業界の、どのような製品のアルミ筐体を製作してきたのか、実績を詳しく確認しましょう。ウェブサイトやパンフレットに掲載されている事例だけでなく、問い合わせを行い、より具体的な情報を得ることも有効です。特に、自社製品と同様の筐体や、求められる品質レベルの高い製品を手がけた経験があれば、安心して任せられる可能性が高いと言えます。
専門分野
アルミ筐体製作は、一見、どの企業でも同じように思えるかもしれません。しかし実際には、企業ごとに得意とする形状や加工方法、表面処理などが異なり、既存顧客の業界に向けて専門特化した企業も少なくありません。例えば、複雑な形状の筐体を得意とする企業、高精度な加工を得意とする企業、特殊な表面処理を得意とする企業など、様々です。
同じ図面であっても見積金額が大きく異なるのは、その企業が「ボッタくっている」というわけではなく、得意とする領域が違うからなのです。製作を依頼する筐体の仕様や要求品質を考慮し、最適な専門性を持つ企業を選びましょう。
技術力
企業の技術力は、保有する設備や加工技術、そしてそこで働く技術者のスキルによって大きく左右されます。最新鋭の設備を導入し、高度な加工技術を有する企業であれば、より高精度で高品質なアルミ筐体を量産ベースで製作できる可能性があります。企業の技術力を見極めるためには、工場見学をさせてもらう、技術者から直接話を聞く機会を設けるなど、より深く理解するための行動を起こしてみましょう(精密筐体・フレームファクトリーを運営する佐藤電機製作所では工場見学も受け付けております)。
これらの情報を収集するためには、企業のウェブサイトやパンフレットなどを確認するだけでなく、躊躇なく実際に問い合わせを行い、営業担当者から話を聞くことも有効です。
2. 対応力:顧客のニーズに寄り添い、柔軟かつ迅速に対応してくれるか
アルミ筐体製作において、企業の対応力・サービス力も重要な選定基準となります。顧客のニーズを的確に捉え、柔軟かつ迅速に対応してくれる企業は、開発期間の短縮やコスト削減、そして最終的な満足度の向上に大きく貢献します。
筐体加工企業の対応力を評価する上で注目すべきポイントは、以下の3点です。
コミュニケーション能力
アルミ筐体製作は、単純な板金部品の製作依頼と異なり、顧客と加工依頼先との綿密なコミュニケーションが不可欠です。顧客の要望や課題を丁寧にヒアリングし、それを設計や製造に反映してくれる企業を選びましょう。例えば、顧客の要望をしっかりと聞き取り、図面化するだけでなく、製造上の制約やコスト面についても分かりやすく説明してくれる企業は、コミュニケーション能力が高いと言えるでしょう。
柔軟性
筐体加工の要望は多岐に渡り、時には予想外の変更が生じることも少なくありません。設計変更や仕様変更、納期変更など、様々な状況に柔軟に対応してくれる企業であれば、安心して任せることができます。例えば、顧客の要望に対して、単に「できません」と断るのではなく、「このように変更すれば対応可能です」と代替案を提示してくれる企業は、柔軟性が高いと言えるでしょう。
スピード感
近年、製品のライフサイクルはますます短くなっており、開発スピードの重要性は高まるばかりです。顧客の要望に対して迅速に対応し、短納期を実現してくれる企業は、大きな強みとなります。例えば、顧客からの問い合わせに対して、迅速に回答してくれる企業、見積もりを迅速に提出してくれる企業は、スピード感を持って仕事に取り組んでいると言えるでしょう。
特に、新規開発や試作品製作など、不確定要素が多いプロジェクトの場合は、対応力の高い企業を選ぶことが重要になります。
3. コスト:適正な価格設定と、コストパフォーマンスの高さ
アルミ筐体製作にかかるコストは、やはり加工依頼先を選ぶ上で重要な要素です。しかし、安易に価格だけで判断するのではなく、品質や納期、そして設計提案やサービス内容などを総合的に判断し、コストパフォーマンスの高い企業を選ぶようにしましょう。また単純な金額だけでなく、手戻りや依頼に係る工数等「見えないコスト」も重要です。
コストパフォーマンスを評価する上で重要なのは、以下の点です。
見積もり内容
複数の企業から見積もりを取り、価格を比較検討しましょう。その際、単に総額だけでなく、内訳までしっかりと確認することが重要です。材料費、加工費、表面処理費など、項目ごとに価格を比較することで、より適切な判断材料が得られます。また、不明な点があれば、遠慮なく担当者に質問し、疑問点を解消するようにしましょう。
コスト削減提案
経験豊富な企業であれば、設計段階からコスト削減のための提案を行ってくれるケースもあります。例えば、材料の変更や加工方法の見直し、部品の共通化など、様々な提案を受けることで、コストを抑えながら品質を維持できる可能性があります。積極的に提案してくれる姿勢は、顧客の事業成功を真剣に考えている証拠と言えるでしょう。
生産ロット変更
筐体加工に係る時間のなかで、少なくない割合を占めるものが段取り時間です。つまりどのように製作するか考えたり、工場の準備を行う時間です。単品を依頼した時と、ある程度数をまとめて依頼した際に価格や納期が異なるのは、こういった段取り時間を含めた効率化が可能かどうかが大きく影響します。また単品だと安いが量産になると高くなる、またはその逆など、どのような生産ロットが得意なのか、コストパフォーマンスが良いのか考慮しておくことも重要です。
なお、佐藤電機製作所ではデジタル化された生産管理、最先端の設備マネジメントにより、試作・小ロットから量産まで、安定したコストパフォーマンスの筐体を提供できるよう、生産体制を整えています。
4. 品質管理体制:高い品質基準と徹底した管理体制は、高品質な製品を生み出すための必須条件
アルミ筐体は、製品の品質や信頼性に直結する重要な部品です。そのため、依頼先企業における品質管理体制も、重要な選定基準となります。品質管理体制が整っていない企業に依頼してしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性もあるため、慎重に見極める必要があります。
企業の品質管理体制を評価するポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
品質保証
依頼先企業がISO9001などの品質マネジメントシステムの認証を取得しているかどうかを確認しましょう。国際規格に基づいた品質管理体制が整っている企業であれば、一定以上の品質を保証していると言えます。ISO9001は、顧客満足度の向上と、品質マネジメントシステムの継続的な改善を目的とした国際規格であり、取得している企業は、製品やサービスの品質向上に積極的に取り組んでいると言えるでしょう。ISOを取得していないからダメ、というわけではありませんが、ISOを取得して品質マネジメントを整えている筐体加工メーカーでは一定水準以上の管理体制は確実に保証されいる、と判断していいでしょう。
検査体制
製品検査は、目視検査、寸法検査、強度検査、機能検査など、様々な方法があります。例えば、最新の測定機器を導入し、高精度な寸法検査を実施している企業、製品の強度や耐久性を評価するための試験設備を備えている企業など、検査体制は企業によって様々です。依頼先企業がどのような検査体制で製品の品質を保証しているのか、事前に確認しておきましょう。
不具合対応
万が一、製品に不具合が発生した場合、迅速かつ適切な対応を行ってくれる企業が望ましいです。不具合の原因究明、再発防止策の実施など、責任を持って対応してくれる企業を選びましょう。不具合発生時の対応は、企業の顧客に対する姿勢を判断する上でも重要なポイントとなります。
5. 企業理念や企業文化、そして担当者との相性も重要な要素
上記以外にも、企業理念や企業文化、そして担当者との相性なども、依頼先を選ぶ上で重要な要素となります。長期的なビジネスパートナーとして、信頼関係を築けるかどうかという視点も重要です。
企業姿勢
顧客に対して誠実に対応してくれる企業、環境問題に配慮した活動を行っている企業、社員教育に力を入れている企業など、自社の価値観と合致する企業を選びましょう。企業理念や企業文化は、ウェブサイトや会社案内などで確認することができます。
コミュニケーション
アルミ筐体製作は、企業の担当者との信頼関係が非常に重要になります。コミュニケーションが取りやすく、疑問点や不安点を気軽に相談できる担当者であれば、安心してプロジェクトを進めることができます。円滑なコミュニケーションは、プロジェクトを成功させるための重要な鍵となります。
6.アルミ筐体製作の加工依頼先を選ぶポイント まとめ
アルミ筐体製作の依頼先を選ぶ際には、ここまでお伝えしたように、専門性と実績、対応力、コスト、品質管理体制という4つのポイントに加え、企業理念や担当者との相性なども考慮することが重要です。これらのポイントを踏まえ、自社のニーズに最適な依頼先を見つけることで、高品質なアルミ筐体の製作先を開拓し、製品の成功に繋げましょう。
精密筐体・フレームファクトリーを運営する佐藤電機製作所は、2m×1mのハイグレードな筐体・フレームを始めとする、ハイグレードな精密板金の短納期製作を得意としています。
西関東エリア屈指の高精度加工設備を強みとしており、スピードと品質には自信があります。 試作品から量産まで一貫生産体制で対応しているため短納期のものづくりが可能であり、設計段階からのVA・VE提案も可能です。 まずはお気軽にご相談、お問い合わせください。