医療機器用の筐体設計・製作のポイント

筐体とは

筐体とは、機器や装置を保護する外装のことを指します。

筐体は、内部の電子部品や機械要素を外部の環境から守る役割を果たし、さまざまな物理的および化学的な影響から製品を保護します。

具体的には、防塵、防水、耐衝撃性、耐熱性、耐腐食性などが求められます。

これらは、製品が使用される環境によって異なるため、設計段階での十分な考慮が必要となります。

筐体は単なる外装ではなく、製品の機能性や耐久性、さらには美観にも大きく影響します。本記事では、筐体の中でも医療機器用の筐体についてご紹介します。

当社の医療機器用の筐体設計・製作のポイント

医療機器に用いられる筐体では、ほかの用途で用いられる場合に比べ、⓵耐久性と衛生面、②電磁両立性、、これらを意識して筐体の設計・製作を行う必要があります。

⓵耐久性と衛生面

医療機器用の筐体を設計・製作するうえで一番重要なのは耐久性と衛生を考えて設計することです。

医療機器は長期間起動しつづける場合や、故障すると人命に関わる場合があるため耐久性を考慮しなければいけません。

人体に触れる可能性もあるため衛生面も重要で汚れが残りにくく除去しやすいような金属を用いることが重要です。

また、医療機器用の筐体は、品質の安定化のために認証を取る必要があります。

そのため、一度設計が決定すると4〜5年変更がない場合が多く、詳細まで設計に組み込む必要があります。

当社では、耐久性と衛生面から鉄を用いて製作する場合が多いです。フレーム部は鉄のまま、カバー部のみ塗装するパターンが多いです。

また最近、端面部のバリレス化を行った筐体を制作してほしいというご相談を頂きます。

当社では、抜き加工時の機械の設定でバリが発生しないような設定を行っています。

そのため、バリレスの高品質の筐体を短納期・低コストで対応することが可能です。

②電磁両立性(EMC)

医療機器の筐体設計・製作では電磁両立性(EMC)も重要となります。

医療機器は他の電子機器等と干渉して、悪影響を受けないようにする必要があります。

また製品が市場に出る際には、EMC規格といわれる規格に準拠していることを示す試験を受ける必要があります。

そのため電磁両立性にも考慮して、筐体の設計・製作することが求められています。

当社は年間100件以上のご提案を行っているため、多くのノウハウを所有しています。

そのため、医療機器用の筐体のような、規格の厳しい筐体でも対応可能です。

当社の板金筐体 設計・製作サービスの3つの特長

⓵試作・量産に合わせた、設計段階からのコストダウンご提案

佐藤電機製作所が運営する精密筐体フレーム・ファクトリーでは、図面の段階からお客様に対して材質や加工方法の見直しを提案し、コスト削減や品質向上を積極的に支援しています。これらの提案には、製造コスト削減や納期短縮を実現するための設計変更も含まれ、年間100件を超える改善提案を通じて、試作から量産まで様々なニーズに応えています。

②最新設備の使用による安定した加工品質

佐藤電機製作所の精密筐体フレーム・ファクトリーでは、曲げ加工、レーザー加工、プレス加工、溶接加工から、メッキ、塗装、印刷、部材調達、組立、出荷まで一貫して生産しています。お客様の図面を受け取り、各工程でデータを管理・活用することで、効率的かつ最適な加工を実現し、安定した品質とコスト効率の高い製品を提供しています。

③安定した生産体制を構築による多品種少量生産

佐藤電機製作所は、西関東エリアで最先端の設備を活用し、生産管理システムを通じて工程の進捗を管理しています。また、図面の電子化とタブレットを用いたデータの可視化により、納期遵守率97%を達成し、安定した生産体制を構築。これにより、多品種少量生産にも柔軟に対応し、10~100個程度の製品を最適なコストと短納期で提供しています。

当社の業界ごとの筐体設計・製作事例をご紹介!

事例1 医療機器用 シャーシ

こちらは、シャーシの製作事例です。

こちらは、曲げ加工からパンチング、スポット溶接まで、一貫して対応しております。

材質やパンチングメタルによっては、スポット溶接しづらい場合がありますが、当社ではスポット溶接の実績が豊富にあるため、対応可能です。

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事例2 超音波診断装置 SECC筐体

こちらは、超音波診断装置筐体です。

超音波診断装置の筐体は、医療機器として使用され、装置の内部を保護し、検査の正確性と信頼性を確保するために重要な役割を果たします。また、使いやすさだけではなく、機能性も求められるため、清潔さと衛生面に考慮した設計をしております。

一般的に、筐体の材質としては、耐久性や耐食性を考慮してステンレスが使用されることが多いです。この製品は、電解亜鉛めっき鋼板(SECC)が使用されます。これらの材料は、軽量で丈夫な特性を持ち、装置の内部を保護するために適しています。

組立作業では、データや写真を用いたIT管理が活用されています。これにより、製品の組み立てが迅速かつ正確に行われ、品質の一貫性が確保されます。また、ワンストップ生産により、製品の生産工程が効率的に行われ、高品質かつ、短納期で製品を提供しております。

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事例3 検体モジュール フレーム

こちらは医療業界の検体モジュールシステムのフレーム部品になります。

検体モジュールシステムとは、検体の前処理、搬送、分析を自動化するためのシステムで 複数の機能を組み合わせることで、精度の向上と効率化を実現しています。

この部品の接合部は納期短縮のため、主にリベットを用いて接合しています。 強度を必要とする箇所には、溶接をして強度を高めております。

またこの部品は、部品の数が多く構成が複雑になっている点が難易度を高めています。

しかし当社は工数の進捗をシステムを用いて管理しているため、 一つ一つの進捗を抜け漏れなく管理でき、高い納期遵守率を維持しています。

筐体の設計・製作なら当社にお任せください

精密筐体・フレームファクトリーを運営する佐藤電機製作所は、過去多くの精密板金筐体の設計・製作をしてきました。当社はそのノウハウから、通常だと時間のかかる溶接を行う箇所をリベット接合に変更するなど柔軟な納期に対応できるような体制を整えています。

他にも小の歪みで製作したい、短納期で対応してほしいなど、些細なことでも是非一度当社にご相談ください。

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